献身的な愛/『アルテミスの涙』(みんなの本気読書感想文)

『江花病院』に長期入院している閉じ込め症候群の女性患者・岸部愛華が深夜に体調を崩した。当直中の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華は妊娠していた。寝たきりの愛華は誰に妊娠させられたのか?病院は騒然となり、事件はマスコミに報道されて批判の嵐が巻き起こる。真理亜は真相を探るべく、話すことができない愛華のまばたきを通して彼女の“声”を聞くがー!?

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レコメンドレビュー

小鳥(@kotori_book)

身体の身動きが一切出来ず、唯一できるのは瞼の瞬きだけになってしまったらどうしようか。意識はしっかりとしているのに、生きることに希望はもてるだろうか。生き地獄では無いのか。7ヶ月も入院しているのになぜ妊娠10週目なのか、後半に思っていた想像のはるか うえをいく結末に驚愕!産婦人科医の患者への熱心な思いが胸に響く。産婦人科での出産、望まない妊娠の堕胎など重たい女性の苦しみの現実を知ると胸が痛いが男性にこそ考えて欲しいと思った。親になることの責任、心の自由、人権、深く考えさせられるメッセージ性のある作品であった。

メインレビュー

以下、内容やネタバレを含む場合があります

産婦人科医である水瀬先生の仕事に対するひたむきさがとても輝いてみえた。妊娠、出産、病気など常に人の命と向き合う場である病院。 産婦人科はとくにデリケートなことが多い。 生きることについて、真正面から考えさせられた。岸部愛華のように身体が全く思い通りにならなくなってしまったらと思うと恐ろしい。献身的に支えてくれるのは、家族だけではないのかもしれない。様々な形がある。子どもの意思、自分の意思をきちんと尊重できる人でありたい。愛華の親は、娘の自由と人権を奪っていた。愛華の身体が不自由になることで、親とのコミュニケーションを断つことができ 愛する人との子をもう一度妊娠して今度こそ産みたい気持ちが大きくなる。 生と命がテーマで、何が答えかはわからないけれど深く考えさせられる著者らしい作品。

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