出会って別れて、また出会って―あと死ぬまでに何度繰り返すのだろう。ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして…。めまぐるしく変化する日常と関係性のなかで、葵の心は揺れ動いていく―。
「BOOK」データベース
レコメンドレビュー
2020年は何をしていたかなと思い出していた。世界が揺れ動く中で、僕は部屋のなかでじっと本でも読みながら過ごしていた。きっとそれは間違いだったのだと思う。もちろん部屋でじっとすることではなく、この本を読んでしまったことが。なぜなら僕は読んでしまったために人に会いたくなったから。恋愛がしたくなったからだ。
恋愛賛歌とは言えない生々しく緻密な世界に触れて、愛も恋も幻想だと思えたら幸せなのかもしれない。地に足のついた恋愛こそが正義だと、鼻で笑えたらよかったのかもしれない。
恋愛のあり方なんて多種多様で人それぞれ正解は違う。きっとそうなのだろう。
読んでしまったら、自分にとっての正解がもっと分からなくなる。それゆえに確かめたくなる。自分にとっての、愛とは。恋とは。
メインレビュー
皆さんのレビューもお待ちしております!
レビュー掲載先着50名様に500円分のAmazonギフト券を進呈します。
ぜひご参加ください!